Witch さんの感想・評価
4.0
この辺がピーク!?選手の個性の魅せ方は相変わらず上手いが「イキリ芸」等限界も見えてきたような・・・
【レビューNo.169】(初回登録:2025/2/9)
コミック原作の2024年作品。全14話。
1期のレビューを書いたので引き続きということで。
(ストーリー)
”青い監獄プロジェクト”について否定的な見解を示している日本フットボール
連合に対し、その成果を示すべく
「ブルーロック VS. U-20 JAPAN」
の試合が組まれることになる。
負ければ「ブルーロックは消滅」と潔達の生き残りを賭けた戦いは続く。
この1戦に臨むにあたり、まずはブルーロック代表の座を賭けた(3次試験を突
破した)35名による選抜試験が開始される。
一方日本フットボール連合は糸師凛の兄で「新世代世界11傑」にも選出されて
いる糸師冴を招集したのだった。
(評 価)
・相変わらず「成功哲学」や「論理的思考」の入門書としてよく出来ている
個人的には1期のレビューで書いたように「サッカーアニメ」というより、
半分「成功哲学」の教科書という見方をしているんですよね。
1期では
・ゼロベース思考
・再現性の方程式
といった概念が提示されましたが、2期では
・FLOW(フロー)
について語られます。
FLOW(フロー)とは
{netabare}・人間が自らの"最適経験"により獲得する精神の『没頭状態』である
(一種の覚醒状態的な)
と定義づけされ
・FLOW(フロー)に入るための条件 →それは挑戦的集中
・つまり自分にとって適度な難しさの目標に向かうコト
(「挑戦」と「能力」のバランス)
と解説されています。
要は「自分の能力に相応しい挑戦をしよう!」ってことですが。{/netabare}
若年層の方にはこういう部分もしっかり観て取り入れていってほしいですね。
本作はそういった話を分かりやすく解説してくれているので。
・個人的には「ひおりん推し」w
本作では潔たちとは別棟から勝ち残ってきた新キャラも続々と登場します。
個人的には烏旅人と氷織羊(ひおりん)の関西ユースコンビが好みでしたね。
特にひおりんは本作では珍しいおとなしい雰囲気のキャラで「大丈夫かいな」
と心配でしたが、途中出場すると
{netabare}「むき出しにするだけがエゴじゃないで」
「ほな終わらせよかブルーロック」
意外と「内面には熱いもの」を秘め、武器であるタメや精密なパスでしっか
り試合を組み立てていくという「仕事人ぶり」にすっかり魅了されてしまい
ました。
個人的には「ひおりん推し」でいこうかとw
「FWばかり集めたチームでDFどうすんねん?」
という疑問もありましたが、選手の特性を生かしたコンバートは意外と説得
力があり、二子のDFなんかはなかなか面白いなあって感じで観てましたね。
FWの方はU-20DFにオリヴァ・愛空という強キャラがいるので、潔が
・愛空を出し抜くために常に思考を巡らせつつ
・味方内でも個性の食らい合い、出し抜き合い
「むき出しのエゴ」といった本作の個性を失うことなく、アップデートして
いく姿をしっかり描いていたと思いますし。
特に潔のラストプレーは、「運のカラクリ」といった1期での敗北を糧に学
んだことをここで活かすとか!!
この終わり方も見事だったと思います。{/netabare}
ただ他のレビュアーさんも指摘していますが、1期に比べ止め絵が多く紙芝
居状態になっているのが・・・・
しかし、優秀なアニメーターが不足していて、奪い合いになっているという
業界事情なんかもあり、あまり過度な作画レベルを求めるのも一考の余地が
ある段階にきている気もしますね。
とはいえ、本作は「もう少し頑張れよ!」とは思いましたが。
・「イキリ芸」は飽きてきた
「『新世代世界11傑』にも選出されるほどの糸師冴って人格者なんやろなあ」
と勝手に解釈してたのですが・・・よく考えると1期早々に
・国内チームでプレーする可能性を聞かれ「死んでも嫌っすね」と即答
・「俺は生まれる国を間違えただけです」と豪語
コイツのっけからイキッてたわw
案の定2期でも最初から
「U20をチェックしたが一言でいうと”クソ”だ。特にFWは”ヘボ”を煮込んだ
”ゲロ”しかいない。」
むしろコイツが一番イキッてるまであるやろwww
試合中も「ヘボエース」だの「クソキャップ」だのそろそろこんな「イキリ
芸」には飽きてきた感がありますね。
しかも最初からラリッてた士道はともかく、最後は{netabare}凛までトリップするとか・・・{/netabare}
とはいっても今更この芸風は変えられないでしょうが。
選手の個性の魅せ方は抜群に上手い作品ではありますので、そこは遺憾なく発
揮されていたように思います。
試合展開も熱かったと思いますし。
ただ「イキリ芸」は食傷気味になってきたし、FLOW(フロー)の概念は面白かっ
たですが、そのみせ方が(スーパーサイヤ人的な)インフレ暴走ギリギリにな
ってきて、今後この作品の魅力である「インテリジェスでサッカーを語る」と
いう部分とのバランスが上手くとれるのかという疑問を感じたのも確かですね。
”青い監獄プロジェクト”も次のステージに移行するようですが、
「振り返ればここがピークだったな」
とならなければいいですが・・・